1/72 SB2U Vindicator を作りました。

今回のお題は、Pavlaの1/72スケールSB2U Vindicatorの簡易 インジェクションキットです。フランスで使われたヴァージョンが V-156となるそうです。ややマイナーな機種のVindicatorは 簡易インジェクション向けのアイテムのようで、ほかにもPegasus、MPM、 Azurなどからもキットが発売されています(中身は同じものがあるかも しれませんが)。 Pavlaキットの内容は、インジェクションパーツのほか、 エンジン などのレジンパーツ、計器盤、アンテナ、V-156用のダイブブレーキ などのエッチングパーツ、キャノピーが真空成形パーツです。 デカールも薄くて印刷のきれいなものがセットされています。 インジェクションパーツの表面モールドは、シャープな凹線ですが・・・
簡イの宿命として、主翼後縁が分厚いので削りこみます。かなりてこずりました。 切り出してしまえば、薄皮のバキュームキットの方が作業は楽かもしれません。 パーツが厚いのでほとんどムクになってしまい、内部が当たっているようです。 そこで、手芸用品のチャコペーパーを上下翼の間に挟んで圧着してやると、 このように当たっている部分に色がつくので、ここを重点的にけずってやれば よいというわけです。
だいぶ主翼パーツの肉を落とせましたが、外翼部の上半角が 上下パーツでかなり異なっています。力ずくで貼り合わせるしかなさそうです。
機首下面の爆撃窓を開けろと指示があるので、開口しました。(当然)窓用 透明パーツは含まれていないので、表面にセロテープを貼り、裏側から 透明レジンを流し込んで再現しました。完全硬化後、ペーパー&コンパウンドがけ をして、透明度を上げてやります。
真空成形パーツのキャノピーを切り出して、モデラーズ のメタルック(粘着式アルミフォイル)でマスキングをします。 通常のインジェクションキットの場合は、窓枠のモールドがはっきりしているので、 窓枠に沿って軽くナイフを走らせればメタルックをカットできますが、 真空成形の場合は モールドが甘くて切り出しのガイドには仕えないため、いったん窓枠と 同じ太さのICテープ(ここでは0.5mm幅)を窓枠の上に張り、これを ガイドにしてメタルックをカットしました。
キットのプロペラハブは、ランナーとあまり区別がつかないような できなので、プラ棒などからスクラッチしました。プロペラブレードは、 用廃となったハセガワのドーントレスから持ってきます。
張り合わせた左右胴体に後部キャノピーを合わせてみると、後ろのところに 大きなすきまがあきます。簡イなのでしょうがないかと思って 埋めてしまいましたが、とんだ早とちりで、実機の写真を見るとちゃんと すきまがあいてました。Pavla侮りがたし。あわてて元に戻したところです。
アンテナ柱を真鍮棒から削り出しました。模型誌には、丸棒をたたいてつぶすように 書いてありますが、以前そうやってみたら、削っているうちにどっちが前だったか わからなくなってしまったので(^^;板状の帯金材を使うようにしています。
やっと士の字になりました。通常、水平尾翼の合いがよいキットでは、 塗装がやりやすいよう水平尾翼を後付けしますが(十の字)、 今回はイモ付け式だったことと、尾翼周りが単色塗装なので、先付けです。 カウリングの糊代がまったくなかったので、1mm厚のプラ板を切り出して 機首にはりつけました。
胴体後半部のシルバードープに、アルクラッドのアルミを使うことに しました。テストとして、背景画像 に使用したアリイのP-40Eの胴体パーツの片われに、吹きつけてみました。 アルクラッドのインストには、サーフェイサーなどの下塗りをしてから 吹くように指示してありますが、プラ地に直接吹いても問題はなく、 グンゼ/クレオスの8番に勝るとも劣らぬ仕上がり具合です。 吹きつけてから5分後ぐらいに、セロテープを貼ってはがしても、 塗装面に何の変化も見られませんでした。 金属感のみならず、塗膜の強さがアルクラッドの特長かもしれません。 そういえば、アルクラッドの溶剤はアセトンベースという話を 聞いたことがありますが、臭いをかぐと確かにアセトンも混じって いそうです(仕事柄、アセトンの蒸気はよくかぎますので)。 軽くプラ地を侵すので、食いつきがよいのではないでしょうか。
尾翼のグリーン、主翼のイエローを吹き終わり、すべり止めの黒塗装用の マスキングをしているところ。デカールを透明カードケースにいれて、 マスキングテープを切り出しました。以前は、国籍マークを塗装するときも、 このようにしてマスキングシートを切り出していました。
使わないデカール(ここでは、フランスのラウンデル)を、 部品を供出していただいたドーントレスに試し貼りしてみました。 万が一デカールがばらばらになったら、予めクリアフィックスを塗ったり、 塗装で済ませたりできますから。ちなみにこのドーントレス、 数次の引越しで脚周りやダイブブレーキがとれてしまったハセガワキットですが、 デカールのみテスターの化石キットに付属していたスケールマスターを 使いました。いままでに使ったデカールで、このスケールマスターが ベストだと断言できます。表面モールドへのなじみは塗装したかのようで、 かつ、各色の境目には段差もありません。 方向舵のトリムタブヒンジ部 など、驚異的ななじみ具合でした。
左側面→上面→右側面→下面と、順番にデカールを貼っていきます。 通常は軟化剤として、MicroscaleのMicrosetとMicrosolを使っています。 (馴染みにくいデカール用に、モデラーズのデカールフィットや、 Solvasetなどもスタンバイしてますが・・・)
下面部品の取り付け。キット付属のタイヤは波打っていた(!)ため、 前述のドーントレスから 持ってきました。主脚支柱はキットに部品が付属してない(寸法のみ インストに指示があります)ので、エバグリーンのプラ棒から 作りました。翼下のパイロンは省略してしまいました。

アンテナ線は、先日購入した炭素繊維 を数本より合わせたものを使いました。なかなか使い心地がよかったです。 前方キャノピーの立てつけが今一つだったのが反省材料です。すりあわせを、 もっと根気よくやるべきでした。 それにしても、派手なカラーリングで民間機のようです。 動翼のヒンジしかスミ入れをしなかったせいもありますが、 ちょっとおもちゃっぽい感じもします。もともとはブルーグレーに 塗りたくて買ったキットでしたが、このキットに関しては、 塗装を変えてもう一機作りたいとは思いません(笑)。 (クリックで写真が大きくなります。)

参考資料:Squadron In Action, Scale Aviation Modeller Vol.4 Issue 3, Replic No.26, Wing Master No.22.