1/72 ハセガワF2A-2バッファローを、英連邦軍のModel339Eに改造しました。

まずは、キャノピーのマスキング。バッファローのように、枠が多いものは 苦労しますが、今回は IKEさんに カットしていただいた、 マスクシートを使いました(IKEさん、ありがとうございます)。 密着がよく、曲面部に貼っても浮いてこないすぐれものです。 下面の小窓は、キットの塗装例用に窓枠デカールが付属していますが、 今回は下面が半分スカイ、半分黒の塗り分けになる予定なのでデカールを使うわけにも いかず、マスクシートが大助かりです。
コックピット内は基本的にストレートで行きますが、シートベルトぐらいは 追加したいところです。エッチングパーツは取りまわしが面倒、いわんや 鉛板などでシートベルトを自作するのはもっと面倒なので、いつも 安易にシートベルトが一体成形されたレジンパーツを使うことが多いです。 今回は、True Detailsのレジン製米軍機用シートを使いました。 シートベルトの形式など違うかもしれませんが、気にしないこととします。
三角形のロールバー内側を、MicroMarkの通販で買ったFlex-I-Fileで 整形しています。コの字形のアルミフレームに、細いサンディングフィルムを 張り渡したもので、ペーパーが入りにくい細かい部分のサンディングに 重宝します。
ハセガワの組みたて説明書には指示がありませんが、初期型のF2A-1より 後の型では、垂直尾翼付け根の細長い楕円形のスリットを埋める必要があります。 また、Model339Eにするためにはテールコーンを延長しなければならないので、 プラ棒の芯にポリパテを盛り付けて整形しました。
スコードロンのIn Actionを参考に、ピトー管を真鍮パイプ、ステンレス線とプラ片で作りました。
胴体後部にスカイの帯が入るので、先にスカイを塗りました。 やや白味が強過ぎるような気もしますが、ソリッドカラーをそのまま塗っています。 この機体の カウリング前半部は他の機体から流用したものらしいので、まだ接着しないで 別々に塗装作業をしています。
スカイの帯のマスキングですが、曲面部に一定幅の帯をマスクするのは 簡単ではありません。最初は、目の子でやろうとしたのですが うまくいかなかったので、何年も前に買ったままほとんど使われずに 錆びついていたトースカンを引っ張り出してきて、ケガキ線をひいてみました。 原理的には、これで機体の中心線に垂直な2本の平行線が描けるわけですが、 機体側の固定が甘かったせいで、線がぶれてしまいました。改善の要有りです。 後で、スカイの帯のデカールがAeroMasterのシートに含まれていることを 発見、これをトレースしてマスキングテープを切り出した方が楽でした。
スカイをマスクし、スケールブラックを下面の左半分に塗りました。 マスクに使っている紙に丸い穴が開いているのは、ホイールハブの マスキング用に、サークルカッターで試し切りをしたあとだったりします。
上面のダークアース(ソリッドカラー)を塗り、例によってMr.ペタリと Parafilm-Mで、ダークグリーンを塗るためのマスキングをしているところです。 今回、国籍マーク等はデカールを使用する予定ですが、迷彩の塗り分け線の 上にデカールを貼ると、色透け(AeroMasterでは問題ないでしょうが)や 段差が生ずる可能性があるので、デカールを貼る部分を 念のためマスキングしておきます。
塗装後、AeroMasterデカールを貼りました。シルクスクリーン印刷の デカールは、どうしてもインクの表面が荒れたようになってしまいます。 デカールが乾燥したら、油絵の具のローアンバーを エナメルシンナーで薄めてスミ入れをしました。ふき取りの際に、エナメルシンナーで デカールの上をこすると色落ちする場合があるので、本来クリアコートをする 必要がありますが、油絵の具の場合は 塗装表面が平滑になっていればシンナー類を使わなくてもふき取れるので、 クリアコートの工程を省略できます。
カウリング上下の空気取り入れ口からエンジンが 見えてしまって興ざめなので、ダクトのようなものをプラ板のヒートプレスで つくりました。左は、プレス型として使ったバーニッシャー。 インレタの転写用として売られているものですが、マスキングテープを模型表面に密着させるのに使っています。先端部がテフロンでできて いるので、塗装面を痛めません。それにしても、こういう環境でろうそくを 使うのは緊張します。このあと、切り取ったダクトを床に落としてしまい、 なかなか見つからないと思ったら自分の足の下にくっついていたという、 Mackowskitの第4法則体験をしました。
デカールの保護と、デカールの彩度をトーンダウンさせるため、下面色の スカイを混ぜたつや消しクリアを全体に吹きました。これは、 ホルバインの水性インクの ダークグレーにタバコライオンを混ぜてつやを消したもので、 機首側面のスリットにアクセントをつけたところです。 有機溶剤でスミ入れをするときのように、走りがよくないので、 筆でねらったところだけアクセントをつけることができます。(はみ出した部分は 水で湿らせた綿棒でふき取れます。) 今回はやっていませんが、動翼の筋彫りの部分だけ、スミ入れの色を濃くしたい場合にも使えます。
翼端灯を水性レッド&青緑で塗ります。あらかじめ、ダークシルバーで 下地を塗っておくと奥行き感が出せるようです。ちなみに、 左右のどちらの翼端灯が赤かというのは、私は「ポートワイン」(portsideが ワインの赤色)と覚えていましたが、「左翼は赤」という 覚え方もあることを、最近模型誌で知りました。 塗料がこびりついてビンのふたが開きにくくなった水性カラーは、 まるごとフィルムケースに 移し変えています。ケースの底部には、ホワイトボード用のマグネットシールを 丸く切り出したものを貼りつけています。塗装用作業テーブルの上に、 薄いトタン板を敷いているので、これで転倒しにくくなります。
主翼下面の着陸灯は、1/43のカーモデル用のライトパーツを使いました。 両主翼下面に計2つライトがついているのはModel339Eだけのようなので、 インストには指示がありませんが、米軍機などの場合は、右側のライトの 部分を埋める必要があります。
足回りを取り付けたところ。尾輪は、陸上型の大き目のものにしないと いけないので、ハセガワの1/72ハリケーンから流用しました。 (前々から、尾輪が調達でき次第Model339Eを作ろうと思っていたのですが、 渋谷の模型店「森の里クラブ」でハリケーンが半額セールされていたのを 買いました。)主車輪は、接着剤をつけなくても、ぴったりはまります。
Model339Eのもう一つの特徴は、第2キャノピーの楕円型の可動小窓です。 In Actionに載っているこの機体の写真を見ると、小窓がはっきりとは 見えないのですが、いちおう再現しました。Ike製マスクシートを 楕円型に切り抜いて貼りつけただけですが。色も黒でいいのか・・・。 バックミラーも追加されていたようなので、 エッチングパーツのジャンクから作りました。 第2キャノピーがしまっていると、窓枠が邪魔でこのバックミラーは全然 見えないので、キャノピーを開けて飛んでいたことが多いのでしょう。 実際、そのような写真がIn Actionにあります。
アンテナ線の引き込み部は、米軍機等は機体左側で、Model339Eも In Actionのイラストでは左側になっていますが、複数の写真で 右側に引き込み部が確認できるので、そのようにしました。
完成です。風防前面は緑色の防弾ガラスということですが、風防を 接着した後に気づいたので、クリアーグリーンをクリアーデカールに 吹いて、切り出したものを貼りました。 ハセガワのバッファローは、パーツの合いもよく、 マーキングを変えて量産するのに向いていそうです。 (小さいので、場所もとりませんし。) 使用国別の違いを調べて、ちょこちょこ改造するのも楽しいものです。 残りは、フィンランド軍機を作れば、シリーズ完結でしょうか。
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